日本版救急蘇生ガイドライン策定小委員会 
一般財団法人日本救急医療財団

新ガイドライン策定の基本方針

現時点では、わが国独自の新ガイドラインをAHAやERCのガイドラインと同じレベルで作成することは、残念ながら困難と言わざるを得ません。なぜなら、わが国には独自のガイドラインを作成するのに必要な質の高い医学的研究成果が不足しているからです。このため、欧米の研究成果を中心としたCoSTRに基づいて、AHAとERCの新ガイドラインを参考に作成せざるを得ないのです。この実情は、充分にご理解いただかなければなりません。とは言え、関係する臨床医や救急救命士らの努力によって少数ですが優れた研究成果が報告されつつあり、わが国で開発され独自に使用している優れた薬剤もありますので、これらについては充分に吟味して信頼性の高い成果は、新ガイドラインに盛り込む方向で検討が行われています。

新ガイドライン策定は、6学会がそれぞれの専門分野を担当し、各学会に持ち帰り改訂項目を洗い出して、それぞれについて改定案を策定し、必要に応じて6学会以外の関連する専門学会の意見を求め、同時に委員会会員以外からの意見も多数取り上げてまとめることを基本方針として作業を進めました。こうして策定された策定小委員会の最終案は、さらに心肺蘇生法委員会の校閲を受け、十分に吟味されて新ガイドラインとして確定されます。

策定された新ガイドラインに基づき「救急蘇生法の指針」が全面的に改訂されます。本書は、わが国の救急医療体制や社会慣習なども考慮して、救急蘇生法の手技や手順を具体的に示した標準テキストです。


CoSTRの翻訳について

ILCORが報告したCoSTRは、心肺蘇生に関わる世界中の研究成果を収集して、科学的分析を加えたエビデンスの集大成です。AHAの新ガイドラインもERCの新ガイドラインも、このCoSTRに基づいてそれぞれの地域や国内の医学的研究成果と医療体制などを勘案して策定されています。従って、わが国もCoSTRに準じてガイドラインを作成するのが正道ですが、CoSTRを批判したり補足修正するだけの医学的研究成果が不足しているため、AHAとERCのガイドラインを下地にした新ガイドライン策定とならざるを得ません。

しかし、CoSTRは全世界の心肺蘇生に関する公式のバイブルであるため、CoSTRを紐解くことは国境や団体を越えて科学的理解を深めるためには不可欠です。小委員会ではCoSTRの重要性を認識し日本語に翻訳し、このホームページに掲載されています。

CoSTRの翻訳文は、誰でも自由にコピーできますが、使用される場合は必ず小委員会からコピーしたこと(出展の公示)、文章を変更しないことが必須条件です。 


ILCOR Evidense Worksheetの翻訳について

小委員会委員は、新ガイドライン骨子の作成作業と平行して、ILCOR Evidence Worksheetの翻訳作業も行っています。この作業も相当な時間と労力を必要とするため、一部では各委員の身近な方々にもご尽力を賜っております。お手伝いただいている先生方には感謝を申し上げます。

Evidence Worksheetは、ILCORがCoSTRを作成する際に根拠とした基本データを収録したものであり、今回の新ガイドライン作成はすべてこのシートに記載された内容から出発していると言っても過言ではありません。世界の新ガイドラインが策定された背景にある考え方を知るためにも、今後の研究を進めるためにも欠かせない重要な資料です。

翻訳が完成すれば公開する予定です。


日本版ガイドラインの策定Worksheetについて

小委員会委員は、新ガイドライン骨子を、AHA、ERC、ILCOR evidence worksheetの記載内容を逐次精読し、その要旨を一覧表にまとめ、これを土台に策定しました。この一覧表はILCORのevidence worksheetに相当するもので、策定小委員会では比較表、原簿、あるいは単にエクセルシートやワークシートと呼んでいます。わが国の新ガイドラインが欧米のそれと、どこがどう違うかを理解するのに役立ちます。この原簿は整理中ですが、将来、何らかの形で公開する予定です。


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